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既に飛行時間やライセンスをお持ちの方、またフライトトレーニングで何らかのトラブルにあった方へのアドバイスです。
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■ログブック記入要領
※日本の航空局(JCAB)が正式に認めている書式のログブックをご使用になられていることを前提にご説明いたします。 また、ログブックは飛行機、回転翼航空機、滑空機などのカテゴリー(種類)別に分けて(すなわち1冊にまとめることはできません。)各々記録、管理がなされていなければなりません。

 1.冒頭のページ
 ・必ず写真を貼って住所・氏名・電話番号など必要事項を記入しておいて下さい。 万一紛失しても戻ってくるように日本語・英語併記の方がベターです。

 ・単独飛行などの証明は「罫線」のページに教官の「エンドースメント(裏書き証明)」をもらうという一般の「アメリカ方式」だけでなく、必ずこの冒頭ページにももらっておいて下さい。 その際に、中の「記録部分」と、冒頭の「証明部分」の日付などの記載事項に矛盾がないかどうかくれぐれも確認をお忘れなく。 特にヘリコプターのトレーニングにおいて「ホバリングソロ」による初ソロの日付が初「パターンソロ(完全にトラフィックパターンを周回してくるソロ)」の日付と一致しない…というようなことがよくあります。(ホバリングソロでも当然ソロはソロです。) 尚、この冒頭ページは海外ライセンスの日本の資格への書き替え手続きに必要な提示書類である「ログブックコピー」の「表紙」になります。 操縦練習許可書(メディカル)の番号なども記入しておくように心がけ、特に日本国内でのフライトトレーニング部分も含んでいるような場合にはその控えが後で必要となることがあります。(航空経歴書など)

 2.飛行時間の取り扱い

 ・飛行時間(Flight Time)とは、「航空機が離陸の目的をもって、自己の力によって最初に動き出す瞬間から、飛行終了後に静止に至る瞬間までの総時間(プッシュバックを含む。)」を意味します。 しかしながらアメリカを含めほとんどの国では一般的に「ホッブスメーター(※)」による時間の読み取りを航空機の「レンタル料金」の精算に使っており、これをそのまま「実飛行時間」、あるいは整備に係る「消耗時間」として記録して差し支えないこととされています。 厳密にいえば「実質時間」と「記録時間」との間にタイムラグが生じるわけで、多少問題は残りますが、海外で認められた「飛行時間」は日本でも現状そのまま通用しています。 但し、日本国内での飛行分については暖機・冷機運転などに要した時間として、少なくとも0.1時間(6分)程度をその「レンタル時間」から差し引いてログブックに記録するように指導がなされています。(わかりやすくいえば、飛行記録上は9割、料金精算上は10割、というようなことになります。)

※「ホッブスメーター」とは、航空機(ピストンエンジン機)の稼動時間の積算カウンターのことで、この名はその装置のメーカー名に由来します。 時間が積算されていくその作動形態としては、

 1.エンジンのオイルプレッシャーが上がっている間
 2.メイン(バッテリー)スイッチがONの間
 3.ヘリコプターの場合、コレクティブピッチレバーが上がっている間

という具合にいくつかのパターンがありますが、いずれも大差はありません。

 ・離着陸の時刻は必ず14:00−15:24のように4桁の「ローカルタイム(現地時刻)」を記入し、例えば、1時間24分飛行したのなら飛行時間を1:24(昔は1+24と記入しました。)として記入して下さい。 特に海外では、通常1時間の10分の1単位、すなわち6分刻みで機体を稼動させることとしており、例えば「24分」の飛行時間を「0.4時間」という具合に記録してしまいます。 これでは日本において「4分(0+04と解釈)」ということに誤って解釈されかねません。

 ・「機長(PIC= Pilot in Command)」とは、「飛行時間中、航空機の運航と安全とに対して責任を有する操縦士」を意味します。 「機長」としての飛行時間は実技試験のための飛行、及びその合格以後の飛行についてのみ発生します。(アメリカではライセンスは即時発行、かつ「有資格者」になったことで新たに航空身体検査を受診し直すなどの余分な手続きが一切ないことから「合格」即「機長」ということになりますが、日本では「合格」後であっても、これらの手続き完了までにさらに数ヶ月を擁するため、その間は依然「練習生(スチューデントパイロット)」としての立場が続く…という矛盾が生じることになります。)

アメリカではこの「機長」としての飛行時間に、練習生の「単独飛行」を含めて取り扱いますが、日本ではそれはあくまでも単なる「単独飛行」であって「機長」扱いとはならず(自分の飛行に対して自分自身で責任が負う資格がない?!)、必ず担当教官からサインを受ける必要があります。 ところが海外現地の教官が「その単独飛行はあなたが「機長」なのだから自分でサインをしておきなさい。」と言ってサインをしたがらない場合があります。 考えてみればそれはもっともなことで、練習生が単独で飛行している間、地上にいる担当教官が「機長」すなわち「責任者」としてそのフライトを「遠隔操作」するなどということは不可能だからです。 その場合はその教官に次のように説明してみて下さい。

"Japanese Government Standard for the License Conversion.....Student Solo is Student Solo....NOT P.I.C. Until the Pilot Test!"

 ・これも意外とご存知ない方が多いのですが、たとえ実技試験に不合格であったとしても、その試験のための飛行は「機長」として記録します。(要するに、実技試験中に何らかのトラブルがあってもその飛行試験官は一切責任を負わない! ということです。) 自分が「機長」なら当然自分自身でサインしなければならず、後でうっかり担当教官からサインをもらってしまったり、ましてや「同乗飛行時間」などに記録してしまうことは認められません。 実技試験の飛行の項には(合否に関わらず)飛行試験官がサインしてくれますが、自分のサインを併記しておいて下さい。

 ・「機長見習業務」の項は、航空運送事業会社などに所属する「副操縦士(Co-Pilot)」としての業務(通常はコックピットに2人以上を要するような航空機の操縦業務。 要はエアラインパイロットが対象です。)に対してのみ必要な項目ですから、たとえ「見習い」として何らかの飛行を行ったとしてもけっして何も記入しないで下さい。

 ・「単独飛行」の項に「副機長(Second in Command)」という項目が設けられていますが、これは「国際運航で、巡航中に機長が操縦席を離れて休息をとる間、その交替要員としての業務を行った者」を意味します。 従って、ここでは無視して下さい。

 ・「同乗教育」の合間に教官が一時降機してその監督下で「単独飛行」を実施するような場合、例えば総飛行時間が1時間で、その内訳として同乗飛行を前半12分、中間で単独飛行を30分、さらに後半で同乗教育を18分というパターンで実施したと仮定すると、これらを1行にまとめて総飛行1時間、単独飛行30分、同乗教育30分、と記録することは認められません。 JCABでは「何時から何時までがどのような内容の飛行なのか?」ということを逐一問題にするのです。
以下の例では、ロングビーチ空港(LGB:正確にはアメリカ国内の空港であることを意味する"K"を頭に付けて「KLGB」と表記すべきですが、JCABでもどこでも、アメリカの空港を3文字で表記してクレームがつくことはまずありません。)で同乗教育中に教官が一時降機して単独飛行を実施し、再び同乗教育に移行してトレーニングを終了したという典型的なパターンを想定しています。

<正しい記入例>
 LGB-LGB 着陸回数1回 総飛行0:12 同乗0:12
 LGB-LGB 着陸回数3回 総飛行0:30 単独0:30
 LGB-LGB 着陸回数1回 総飛行0:18 同乗0:18

<誤った記入例>
 LGB-LGB 着陸回数5回 総飛行1:00 単独0:30 同乗0:30

※一般の外国人教官は、1フライト分をスッキリとまとめて1行に、特に何レグかにわたるクロスカントリーなども[A地点→B地点→C地点]というふうに1行にまとめて記入してしまう傾向がありますが、絶対禁物です!
※LGB-LGB は、LGB-LCL(ローカル)としても構いません。

 3.クロスカントリー(野外飛行)について

 ・「クロスカントリー」とは、その距離に関係なく、出発地点以外の地点へ向け、ナビゲーションの実施(地文航法、推測航法、無線航法のいずれか)を含む飛行を行って着陸すること(日本では飛行場の数が少ないため、これを例えば所定のVORをヒットすることなどに換えて、必ずしも着陸を伴わずにクロスカントリーレグとしての「区切り」をつけることがあります。)、と定義されています。 (但し、「距離は関係ない」とはいっても、資格取得のためには各国それぞれが規定している飛行距離上の諸要件を満たすことが求められます。 したがって、例えばアメリカでクロスカントリーとしての距離要件の一つである1レグ50マイル(回転翼の場合は原則的に25マイル)に満たないクロスカントリーを実施した場合でも、もし何らかの方式でもって「ナビゲーション」を実施している限り、それをクロスカントリー時間として記録することはできますが、資格取得のためのクロスカントリー時間の要件としては算入できないということになります。 「たとえ記録できてもカウントできない飛行要件の部分については、総飛行時間自体には算入しても、クロスカントリーとしては敢えて記録しない…」ということになりますが、記入するかしないかはアメリカでも日本でも基本的に本人の自由裁量です。)
クロスカントリーの記録は日本の資格への書き替えを考慮した場合、少なくとも以下の方式に従って下さい。
ここではロングビーチ空港(LGB)を離陸してコロナ空港(AJO)に1度着陸、続けて3回タッチアンドゴーを練習した後、再びロングビーチ空港に帰投した、という典型的なパターンを想定しています。

<正しい記入例>
 LGB-AJO 着陸回数1回
 AJO-AJO 着陸回数3回
 AJO-LGB 着陸回数1回

<誤った記入例>
 LGB-AJO 着陸回数4回
 AJO-LGB 着陸回数1回

※前述のように、一般の外国人教官は、「ローカル飛行」の部分を省略し、まとめて記入してしまう傾向があります。
※LGB-LGB は、LGB-LCL(ローカル)としても構いません。

この場合<誤った記入例>では、LGBからAJOへ向かう途中で3回どこかに降りてから4回目の着陸でAJOに到達したことになってしまい、LGB-AJOというクロスカントリー自体が成立しないわけです。 もっとひどいケースでは前述の如く[LGB→AJO→LGB 着陸回数5回]などと1行にまとめて記入してしまっていることも多々見受けられます。 後になってからログブックの行を増やして記入し直すことなどできませんから一度間違うとその後全部ずれてくるわけで、無神経に管理されたログブックの後始末はもう大変です…。(アークEFIには各方面からそのようなログブックが持ち込まれ、中には10年以上も前の記録で単独飛行に当時の担当教官のサインがないなど、対応がきわめて困難なケースも多数見受けられます。)

上記の記入例において、クロスカントリー飛行の時間としては、LGB-AJOと、AJO-LGBの往復2レグ部分においてのみ算入し、AJO-AJOのタッチアンドゴー部分はあくまでも「ローカル飛行」であって「クロスカントリー飛行」の一部としてはカウントされませんのでくれぐれも要注意です。(実技試験の直前になって「クロスカントリー時間が足りない!」などというようなことが起こり得ます。 それが航空留学からの帰国後、ライセンス書き替え手続きの時点で判明した場合などはもう最悪です。)

特に自家用操縦士の最低飛行経歴として要求されている「ソロクロスカントリー」の総飛行時間は、アメリカでは3時間(回転翼の場合。 飛行機の場合も現地スクールの公認形態によっては経歴上の各種要件が縮小されます。)であるのに対し、日本では5時間です。 もしもしっかりした日本国内の航空留学取り扱い機関によるサポートが得られていないような場合には、帰国前に必ずこうした「検算」を済ませ、たとえ既に海外の実技試験に合格済みであったとしても、その資格を日本の資格に書き替えるために必要な「飛行経歴上の要件」を達成しておかなければなりません。 実技試験合格後は物理的にもう「単独飛行(操縦練習生が教官の監督下でのみ行える飛行であって、ライセンスの取得後は自動的に機長扱いとなるため、「単独飛行」という用語自体が使えません。)」を伸長させることがもはや不可能なのですから、単独飛行時間の不足分はその後「機長」としての時間をこれに充てるしかないわけですが、日本の航空局は現行それを認めています。)

もう一点、クロスカントリー飛行は各レグ毎に「フルストップアンドゴー(生地着陸)」でなければなりません。 したがってそれが「タッチアンドゴー」でないということを示すために(状況的には実際「タッチアンドゴー」などにはなっていないはずですが…。)クロスカントリーの経由地点における「着陸時刻」と「離陸時刻」との間に最低数分程度の間隔を空けておくようにします。 少なくともライセンスの書き替えのために必要な、ソロクロスカントリー飛行の「最終・最長」の飛行経歴に係る部分についてはそのようになっていなければなりません。 すなわち「今日は○○時に離陸して○○時間飛んだから・・・」と出発時刻と到着時刻だけを念頭において単純に各レグの時刻を割り振っていくということではいけません。

こうした飛行時間の取り扱い以外にも以下のようなポイントがあります。

 ・総飛行距離(各レグ総合)の要件と共に、各レグ毎の直線距離の最低要件を効果的に達成する上で、ソロクロスカントリーのコース設定は三角形(発着地点の合計が3ヶ所で、極力「正三角形」に近いもの)であることがベストです。(規定では3ヶ所以上) 以前これを飛行距離要件達成の問題から敢えて四角形でもって設定した練習生が、途中で対角線上に飛行、すなわち実際に飛行したその航跡において、当該四角形の中央付近で交差してしまう部分が生じたわけなのですが、FAAでは要件上特に問題とはならなかったものの、JCABではライセンスへの書き替え手続きの際に「コースが交差した時点以降の飛行はクロスカントリーとして認められない」と通告されました。 また、長い直線コースの両端を単純に往復する形のコースを設定し、その中間点付近に設けた着陸地点に着陸後、元の空港に帰投して合計3地点での着陸を達成した、というケースでも、「同じコースを折り返してきたようなものは認められない」と通告されたことがありました。 アークEFIが当局に出頭、「これらのケースを不受理として排除するような規定は航空関連法に一切書かれていない。」と、理路整然と説明を重ねながら理解を求めたところ(実際に「コースが交差してはならない」とか、「三角形コースにはどの程度の"ふくらみ"が必要」とかの規定はどこにも見あたりませんから…。)、結果はいずれのケースもめでたく受理に至ったのですが、無用なストレスは避けるに越したことはないでしょう。

 ・飛行地点(区間:出発地-到着地)において、「LGB」のように空港の略号を使用する場合には、少なくともその略号が初めて出てきたところでは、その欄の上か下に小さく空港名をフルネームで入れておくように心がけて下さい。(日本の航空局担当官への「配慮」というのがまず第一の理由ですが、間違いが起こらないように、ということもあります。 例えばカリフォルニア州のコロナ空港の略号は「AJO」ですが、アリゾナ州には「AJO:略号ではなく名称」という空港があります。)

 4.シミュレーター・フライトトレーナーの扱いについて

 ・一般的に「シミュレーター(模擬飛行装置:飛行状態を模擬的につくって飛行練習の用に供する装置で国土交通省が指定する性能・仕様を備えたもの)」と呼ばれているものは、実は正式には「シミュレーター」ではなく、いわゆる「フライトトレーナー(飛行訓練装置:AST-300やFRASCA-142など)」と呼ばれるものである場合が大半です。

※日本の計器飛行証明などの受験資格の要件(飛行経歴)を充足するために、海外でフライトトレーナーを使用して得たトレーニング時間を充当することは、現在のところJCABの扱いとしては認められていないということがいえます。 直接当局の担当官に確認しても「国が指定している機材というのはその製造番号までを指定しているから…」などというような理由で、合理的な回答は得られないのですが、海外で実施したトレーニング内容やそのレベルの如何に関わらず、トレーニング上の「経験」としてはともかく、証明すべき「経歴」としては、基本的に実機によるトレーニングのみに限定して考える必要があります。 以下、この種の経歴に係る国内でのトレーニングを前提としてコメントします。

例えば計器飛行証明の受験の際に必要な飛行経歴として、日本の航空法では『計器飛行練習40時間のうち30時間を限度として「模擬飛行時間(シミュレーターによるもの)」に置き換えることができる…』と規定しているのですが、この経験がもし「フライトトレーナー」に該当する装置によるものである場合には最大で20時間までしか置き換えられないことになっていて、例えば実技試験の当日に試験官からそうした指摘を受けて「飛行時間が足りない!」というような事態に陥らないよう注意が必要です。

また、これら(実機以外の飛行練習用装置)を使った時間をログに記入する場合、それはあくまでも「フライトトレーナー」または「シミュレーター」の時間としてのみ取り扱われるため、「総飛行時間」にも「同乗教育時間」にも算入されません。 但し、担当教官のサインのみもらっておいて下さい。

※ログブック記入項目のNo.20がシミュレーターで、No.21がフライトトレーナーですから通常この種のトレーニングに係る時間は後者に記入することになります。

※2007年11月27日付の通達(国空乗390号)で、国土交通大臣による認定外のシミュレーターやフライトトレーナーによるトレーニングに係る時間は( )を付し、認定機材によるものとは区別して記入、またその場合の着陸回数は「補足事項」欄に同じく( )を付して記入することと指示されました。

※2003年4月1日公布の「航空法施行規則の一部を改正する省令」で、フライトトレーナー(航空局が認定するもの)に係り、以下の経験充足、及び審査において使用できるとする旨の通達がなされています。

1.航空運送事業機の運航に従事するための最近の飛行経験の充足(操縦者以外の航空乗組員)
2.計器飛行を行うための最近の飛行経験の充足
3.機長の認定に係る審査
4.査察操縦士の指名に係る審査

但し本件はライセンス書き替えに係る要素を含んでいるものではなく、また「計器飛行を行うための最近の飛行経験の充足」のような目的において、JCABでは前述のように、海外で得られたフライトトレーナーなどの訓練時間を、「経歴」としてはカウントしていませんのでくれぐれも誤解のなきようにお願いします。

 5.全般

 ・各ページ毎に間違いやモレがないかしっかり確認してボールペン書き(青でもよいことになっていますが黒がベター)で記録しておきます。 ボールペンなどの記入ミスは当該箇所を横二本線で消し、認印(小さな"マメ印"がベター)を押して訂正します。 修正液の使用はアメリカなどでは通常容認していますが日本では一切認められません。 必ず各ページの左下の署名(外国人以外は「日本語」で署名することと規定されています。)+捺印欄にも自筆サインとともに捺印をお忘れなく。
但し、各ページ最下段の「時間集計欄」は後で計算ミスを発見することも考えられますのでライセンスの書き替え手続き直前までは鉛筆書きの方がいいでしょう。(この部分が鉛筆書きであっても海外での実技試験の受験には特に支障ありません。) ログブックは基本的に自身の記録であるわけですから本人の捺印で構わないのですが、日本国内でのトレーニングに限っては一般的に担当教官の確認を得て訂正を行っているようです。

 ・飛行時間の検算の方法ですが、各ページ毎にその最下段の集計欄が「機長時間」+「単独飛行時間」+「同乗教育時間」=「総飛行時間」になっていればOKで、もしそうなっていないならばどこかのページで既に間違っているはずです。

 ・単独飛行や野外飛行、夜間飛行を実施したときは、該当する「飛行時間」の項に確実にその記録がなされていることはもちろんですが、同時に「飛行内容」の項にも "Solo Practice" や、"Cross country(X-C としてもよい)"、"Night flight"として記述されている必要があります。(日本の航空局担当官によって取り扱いが変わることもありますが、この種の記述方式については「頑な」なほど強く指摘されることがあり、ここは素直に従いましょう。)

 ・「飛行内容」の欄に具体的なトレーニング内容(訓練課目 例えば "Turn" や "Stall" など)ではなく、レッスンプランの番号だけで記述されている場合がよく見受けられます。 この方式は記入が楽で見かけ上もシンプルにまとまりますが、日本での書き替え申請の際に担当官がまったく内容をつかめませんので、必ずレッスンプランの番号と内容を一覧表にした書類、またはレッスンプランのコピーそのものを他の添付書類に加えて提出するようにします。

 ・ログブック右下の「夜間飛行の経験」に係る欄は何も記入しないで下さい。 後で混乱をきたす可能性大です。 空白でもライセンスの書き替えには特に支障ありません。

 ・夜間飛行の着陸回数は「着陸回数」の欄に"N"を付し、日中の着陸とは区別して記録すること、と2007年11月27日付の通達(国空乗390号)で指示がなされました。

 ・実際のトレーニングに使用したチャート(航空図)は「飛行記録」の一つとしてのみならず、海外で実施した飛行それ自体を裏づける上で最も信憑性の高い「証拠書類」として残しておくべきもので、書き替え申請に際しては、クロスカントリーの飛行距離やコースを改めて確認し直すことを目的として、チャートの現物かそのコピーの提出(添付)が求められます。 もちろんトレーニングを通じてかけがえのない想い出がこもったものですから永く大切に保管しておかれることをお奨めします。
※書き替え申請の際、「最終・最長」となるロングクロスカントリー飛行の部分について、日本の航空局担当官がログブックと照合しながら該当する空港/生地着陸場を判別しやすいよう、添付するチャートには予めその該当部分に後で剥がせるラベル(ポスト・イットなど)を貼って地点名や略号を記入、各空港/生地着陸場間を最短レグのコースで結ぶラインを赤鉛筆などで線引きするなどの配慮をして下さい。(書き替え要件の「飛行距離」については、実際に飛行した航跡とは異なりますので念のため。)

 ・ライセンス書き替えのために日本の航空局に必要書類を提出する際は、その担当官の「善意」と「寛容」を当て込んで、そのログブックの「現状」を、確認の不完全な状態のまま、敢えて手続きに持ち込むべきではけっしてありません。 状況によっては当局側にコピー(提出書類の一つ)が残ることになり、もし後で訂正の必要が生じた場合には、たとえその訂正内容自体が「事実」であったとしても、それを証明するための客観的な証拠を求められることがあります。 それに対する対応は必ずしも容易なことではなく、単にこのことが原因でいっこうに書き替え手続きが進まず、「日本の空なんて…」と口惜しがっている人は実は少なくありません。 単なる集計ミスや記入モレ以外の訂正は後で利かないものと認識してかかるべきです。

 6.回転翼航空機(ヘリコプター)

 ・日本において「回転翼航空機」とは、現在、操縦資格上の対象として「ヘリコプター」のみを指しています。 したがって「ジャイロプレーン」などの飛行時間をこれに算入することはできず、またそれら海外で取得したヘリコプター以外の操縦資格を日本の公的な資格に書き替えるための「カテゴリー」や「クラス」(「ジャイロプレーン」や「エアロダイン」、「ジャイロコプター」などと呼ばれるもの)は現在の日本に存在しません。

 ・ホバリングと接地を何度繰り返して練習しても、それはあくまでも「ホバリング練習」であって「離着陸の練習」ではなく、着陸回数としてはカウントされません。(但し、ホバリング練習のみで終了したフライトの着陸回数は1回としてカウントするのが自然でしょう。 でないと飛行時間がカウントされているのに着陸回数がゼロ(?!)というおかしなことになってしまいますから…。)

 ・自家用ライセンスの書き替えにおいて、オートローテーションに係る練習回数の規定というものはないのですが、日本では少なくとも1回以上「フルタッチ・オートローテーション(「パワーリカバリー」をかけないオートローテーション)」の練習をし、そのことを「飛行内容」、または「補足事項」の項に記録していることが求められます。 もし、ログブックに "Full Touch Auto" として明記されている部分が1ヶ所もない場合、日本の資格に書き替えることはできません。

※練習生がオートローテーションなどの緊急処置を練習する場合、必ず教官との同乗で実施し、けっして単独で練習してはいけません。 特にR-22のような小型ヘリの場合は教官同乗から単独飛行に移行したときの機体重量の変化が無視できません。 特にオートローテーションに入る際にローター回転が上がりにくく、慣れないうちは教官同乗時とのフィーリングの差に戸惑う危険性大です!!

 ・海外で、例えばピストン機(R−22など)のみによるトレーニングを通じて既に自家用ライセンスを取得している場合であっても、引き続きその国の事業用ライセンスを取得するために、もしタービン機に転向して同乗教育を受ける場合には、それがタービン機による単独飛行を行っている飛行時間でない限り、それを必ず「同乗教育」として記入して下さい。(後述しますが、日本でのライセンス書き替えを考慮しない限り、アメリカではヘリコプターについて、「ピストン」や「タービン」、「単発」や「多発」、「陸上」や「水上」などの「等級」分類を一切行わないため、自家用以上の「有資格者」が行ったそれらすべての飛行は単に「機長」として記録してよいことになっています。) タービン機への移行トレーニングにおいて、通常10〜20時間程度これを経験した後に実技試験に臨むのが一般的ですが、既に教官資格を保持している場合などを除き、この程度の経歴でタービン機での単独飛行がOKになることはまず考えられませんから、日本の航空局はこれをあくまでも「教官同乗」による練習飛行として認識します。

アメリカでは、自家用ライセンス取得以後の飛行において、たとえ教官が同乗している場合であっても、その教官を「乗客」とみなすことにより、その飛行を「機長」飛行として取り扱っています。 アメリカにおいてヘリコプターの事業用ライセンスの取得に必要な「総飛行時間150時間以上」の基準を満たした段階で、同時に「機長時間100時間以上」という別の基準を極力少ないコストと時間の範囲内でもって達成するため、こうした飛行時間の取り扱いが合法、かつ一般的な方式となっています。 実はこの飛行で同乗した教官自身も同時にその飛行時間を「機長」として記録していて、さらに特筆すべきこととしてその練習生は当該飛行時間を「機長」とともに「同乗教育」として併記し、「乗客としての教官」から「アドバイス」を受けて飛行した…という内容の記録を行って構わないこととされているのです。 このことを一般に「ダブルPIC(機長)」と呼び、すなわちアメリカではログブック上の飛行時間が必ずしも前述のように「機長時間」+「単独飛行時間」+「同乗飛行時間」=「総飛行時間」となっていなくともよい、ということがいえます。

これらのことから具体的にご説明すると、仮にアメリカでピストン機によって自家用ライセンスを取得した以後、引き続きタービン機によってトレーニングを行った場合、「同乗教育」の飛行時間はボールペンで記入し、同じ段の「機長」の欄に同じく当該飛行時間を鉛筆書きで記入、実技試験の合格後、または日本の資格への書き替え手続きの際に、この鉛筆書きの「機長」時間の部分を消すようにします。 但し、実技試験のための飛行自体は前述のとおり(たとえ不合格であっても)必ず「機長」扱いですからこれも注意して下さい。 帰国後は自家用ライセンスをまず「ピストン機」でもって書き替え申請し、ライセンスの交付後に「タービン機」でもって「限定変更」するという手順を踏みます。

この手順によってアメリカでの「機長」時間が減ってしまうように思えますがご心配には及びません。 ログブックの補足欄か欄外に「PIC TOTAL in USA=+20:00(「20時間加算」という意味)」という具合にメモ書きしておけばよいのです。 アメリカで何かほかのライセンスの取得に向けてトレーニングを始めたりする場合にはそのメモ書きした「機長」時間がそのまま使えます。 こうした「テクニック」は、2国間で有効なライセンスを両立させて取得するために、それらの異なった規定を同時に満たす上であくまで合法、かつ一般的な方式となっていますので念のため付け加えておきます。


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