●E-1(商用駐在員ビザ)
アメリカとの貿易(サービス、デザイン、技術といった無形のものも含まれます。)に従事する日本企業の社員がアメリカの支店や子会社に派遣・駐在となる場合、及びその家族のために発給されるビザで、下段に掲げるH-1ビザなどと異なり、大卒の方でなくとも申請できる比較的現実的な労働ビザです。
有効期間は通常5年で、最初の滞留期間は1年以内となっていますが、派遣・駐在先に勤務している限り何回でも更新可能です。(更新手続きは1年につき2回まで可能)
E-1ビザを取得できる企業側の資格としては、アメリカにある会社が日本の会社の支店であること、日本の会社がアメリカにある子会社の株の50%以上を保有していること、または、アメリカにある会社の総売り上げの51%以上が日米間の取り引きに依存していることなどです。 一方、E-1ビザを受給できる人の資格は、経営者、管理職、特殊技術者であることとされています。
手続きはアメリカの移民局を通さずにアメリカ大使館側で申請・処理されるので、比較的短期間(数日〜2週間程度)でビザが発給されます。
※E-1ビザによる滞米期間中は永住権を申請することができないといわれることがありますが、このビザステイタスから永住権を取得した方の情報が得られましたので、以下にそのコメントを引用しておきます。
「本来E-1はアメリカに一時的に滞在するという意思表示のビザなので、このステイタスで永住権を申請すると二度とE-1ビザの延長ができなくなる…、というのが正しい。 E-1はLビザと違って何回も延長できるビザなので、敢えて永住権の取得を試みてもしそれに失敗してしまったらその時はそれなりの覚悟が必要になるということ。」とのことです。
尚、このE-1ビザ保持者の配偶者は申請(フォームI-765)によって労働が許可されることになりました。
●E-2(投資家ビザ)
アメリカの企業の買収や投資をした日本の企業や個人、またはその日本の企業や個人に雇用される管理職や特殊技術者、及びその家族のために発給されるビザです。
有効期間は通常5年で、最初の滞留期間は1年以内です。更新は1年につき2回までで何回でも更新可能です。自分で事業を興したり企業活動を行う投資であることが前提となっており、例えば不動産を購入するだけの投資では発給されません。
最低の投資額は特に定められてはいませんが、一般的には少なくとも20万ドル以上(中には50万ドル以上だという話もあります。)が必要であろうと思われます。これは、事業の種類・内容にもよりますが、日本で得たお金を投資することを証明する意味で、日本銀行に「外貨証券取得」を届け出て送金するようにします。アメリカ大使館で申請・処理され、アメリカの移民局を通さないので比較的早く(数日〜2週間程度)ビザが発給されます。
尚、このE-2ビザ保持者の配偶者は申請(フォームI-765)により労働が許可されることになりました。
●H-1B(現地採用職能者ビザ)
専門技術・技能を持つ人を必要とするアメリカの企業で現地採用される場合に発給される最もポピュラーな労働ビザです。 該当する分野は、建築設計・電気技士・数学・物理学・社会学・医学・保健学・会計学・商用経済学・法律・芸術・ファッションモデルなどですが、特に最近のハイテク業界の人材不足を背景に、このビザの発給数は従前の約2倍にまで増枠されています。
有効期間は通常3年で、最長6年まで更新可能です。但し、世界中から申請があるので手続きには長期間を要する可能性があります。 このビザを受給した後は、永住権を申請することや、スポンサー企業、仕事を変えることなども可能です。
尚、最近の法律改正で、H-1B保持者が転職する場合、「変更届」を提出した時点で直ちに新しい雇用主のもとで働くことが許可され、また、H-1B保持者が永住権を申請してから365日以上待っている間は、6年の最長期間を超えても1年ごとに延長が認められることとなっています。
≪H-1Bの申請要件≫
1.少なくとも「学士号 "Bachelor's Degree"(大学卒)」を取得していること。
もしそうでない場合は、大学1年分に相当する経験としてその分野における3年の実務経験が求められます。すなわち、高校卒の人がH-1Bを申請する場合、最低でも12年の実務経験が必要となります。
2.以下の条件で少なくとも3つ以上に該当していること。